1999 Fiscal Year Annual Research Report
慢性活動性EBウイルス感染症におけるEBウイルス関連遺伝子の発現
Project/Area Number |
10770342
|
Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
金兼 弘和 富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (00293324)
|
Keywords | EBウイルス / 慢性活動性EBウイルス感染症 / EBNA-1 / EBNA-2 / LMP-1 / 潜伏感染 |
Research Abstract |
慢性活動性EBウイルス感染症におけるEBウイルス感染細胞は通常のB細胞のみならずナチュラルキラー(NK)細胞やT細胞(CD4およびCD8)にもある。EBウイルス感染NK細胞株(YT)ならびに慢性活動性EBウイルス感染症に続発したEBウイルス関連T細胞リンパ腫2例におけるEBV関連遺伝子の発現をウエスタンブロットならびにRT-PCRにて検討したところ、EBNA-1、LMP-1、LMP-2は陽性であったが、EBNA-2は陰性であった。すなわち上咽頭癌やホジキン病と同様に2型の潜伏感染様式をとっていた。慢性活動性EBウイルス感染症に合併したEBウイルス関連γδ-T細胞リンパ腫由来の細胞ならびにNK細胞白血病の患者末梢血より樹立したEBウイルス感染NK細胞株におけるEBウイルス関連遺伝子の発現についても検討を加えたところ、RT-PCRにてEBNA-1、LMP-1、LMP-2は陽性であったが、EBNA-2は陰性であり、同様に2型の潜伏感染様式と考えられた。したがって慢性活動性EBウイルス感染症のようにEBウイルスがNK細胞やT細胞に感染した場合は、2型の潜伏感染様式で感染しているために、宿主のEBウイルス特異的な抑制性T細胞による免疫学的な認識機構から逃れやすくなっていると考えられた。その結果として慢性活動性EBウイルス感染症が悪性化や遷延化をきたしやすいメカニズムが働いているものと考えられた。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Kanegane H(他8名): "X-linked thrombocytopenia identified by flow cytometric demonstration of defective Wiskott-Aldrich syndrome protein in lymphocytes"Blood. 95. 1110-1111 (2000)
-
[Publications] Kanegane H(他5名): "Development of EBV-positive T-cell lymphoma following infection of peripheral blood T cells with EBV"Leukemia and Lymphoma. 34. 603-607 (1999)
-
[Publications] Kanegane H(他5名): "Increased cell-free viral DNA in fatal cases of chronic active Epstein-Barr virus infection"Clinical Infections Disease. 28. 906-909 (1999)
-
[Publications] 金兼弘和、宮脇利男: "X連鎖無γグロブリン血症"臨床検査. 43. 425-428 (1999)
-
[Publications] 金兼弘和、脇田宏: "EBウイルス感染症におけるインターロイキン10"小児感染免疫. 11. 151-156 (1999)
-
[Publications] 金兼弘和(他2名): "X線リンパ増殖疾患(Duncan病)とSAP遺伝子異常"Annual Review 免疫 2000. 335-341 (1999)