1998 Fiscal Year Annual Research Report
成長におけるインスリン様成長因子Iとインスリン様成長因子I受容体機能に関する研究
Project/Area Number |
10770355
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
菊池 信行 横浜市立大学, 医学部・附属病院・小児科, 助手 (30244429)
|
Keywords | インスリン様成長因子I / インスリン様成長因子I受容体 / 自己リン酸化 |
Research Abstract |
平成10年度はIGF-I受容体自己リン酸化能測定系の開発を目的に研究を開始した. 遺伝歴を有するSFD低身長児,体質性低身長児,GH without growthが疑われる2名の高身長児,正常成人から得られた培養皮膚線維芽細胞を種々の濃度のIGF-Iで刺激し,IGF-Iレセプターβサブユニットを自己リン酸化させた後,IGF-Iレセプターを可溶化させる.この可溶化したレセプターを用いた自己リン酸化能測定を抗IGF-1レセプター抗体,抗フォスフォチロシン抗体を用いたサンドウィッチ法にて測定する.さらに,レセプター数も他の抗体を用いて測定し,レセプター数当たりの自己リン酸化能を算出し,受容体の機能を検討する.これらの測定は十分な感度を得るために二次抗体をEu(ユーロピウム)で標識し,高感度イムノアッセイ法であるTR-FIA系で測定する. 以上の計画で平成10年度の実験を開始した.まず,アッセイ系を確立するために,正常成人から得られた培養皮膚線維芽細胞を用いた系での感度を検討した.実験を何度か繰り返したが,刺激したIGF-Iの濃度と,Euカウントのdose-response curveを得ることが今年度は出来なかった.最大刺激と考えられたIGF-I濃度と,Blankのカウントにほとんど差がなかった.結果が得られなかった理由として,培養皮膚線維芽細胞上のIGF-Iレセプター数の問題でこの系の感度では,自己リン酸化能が不可能である可能性が考えられる.GF-I受容体をChinese hamster ovary(CHO)cellにIGF-I受容体をトランスフェクトし,IGF-I受容体を過剰発現させた細胞(CHO-IGFR)の供与を受け系の問題を解決する予定である.
|