1998 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽腫の転移におけるインテグリン情報伝達、特にfocal adhesion kinaseとpaxillinの関与について
Project/Area Number |
10770363
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
藤田 宏夫 順天堂大学, 医学部, 助手 (00245763)
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Keywords | 神経芽腫 / 転移 / paxillin / Focal adhesion kinase / 接着分子 |
Research Abstract |
神経芽腫の原発巣と転移巣における接着分子の発現の差を検討し転移メカニズムの解明を目的とした。対象は6ヶ月のマススクリーニングにて発見された神経芽腫1例(MS例:左副腎原発で転移は認められなかった。)とN-myc遺伝子が100コピー以上と著明な増幅を認めた乳児神経芽腫1例(進行例:副腎原発で初診時に肝臓および骨髄に転移が認められ、stage IV-Sと診断した。)である。手術時に得られた原発巣および転移巣(肝臓および骨髄血)を用いてpaxillinおよびfocal adhesion kinaseの発現を蛋白レベルで検討した。1)MS例と進行例の原発部位でのpaxillin発現の差は進行例でその発現量が高い傾向にあった。2)進行例での原発巣と転移巣でのpaxillin発現の差は両者で明かではなかった。しかし、転移巣の摘出組織が少量の為十分な比較が困難であった可能性を考慮し再検討する必要がある。3)MS例と進行例の原発部位でのfocal adhesion kinase発現の差も進行例でその発現量が高い傾向にあった。4)進行例での原発巣と転移巣でのfocal adhesion kinase発現の差は転移巣の摘出組織が少量の為今回の検討から除外した。今後はさらに症例数を増やし検討する。
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