1998 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザ菌の薬剤感受性の動向とその耐性機構の検討
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10770372
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
松尾 勇作 久留米大学, 医学部, 助手 (70268879)
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Keywords | インフルエンザ菌 / 薬剤耐性 / β-ラクタマーゼ |
Research Abstract |
1996年と1997年の2年間に臨床材料から分離されたH.influenzan対する薬剤感受性試験を行い,薬剤耐性の動向を検討した. 薬剤感受性試験は寒天平板希釈法を行った.総数202株を検討した結果,注射薬では第3世代セフェムの抗菌力が良好であり,CTRXがMIC90が0.025μglml,CTXの0.1μg/ml,CPRの0.2μg/mlの順であった.ABPCのMICは0.2〜50μg/mlの範囲にあり,3.13μg/ml以上の株は17株,うち16株がβ-ラクタマーゼ産生株であった.penicillin系抗菌薬ではTAZ/PIPCが最も良好(MIC90:0.2μg/ml)であった.carbapenemは,MEPMがMIC90:0.2μg/mlと良好であったが,他剤は類似した抗菌力を示し,MIC90はIPM,PAPMで1,56μg/ml,BIPMでは3.13μg/mlであり,IPM12.5μg/ml,PAPM6.25μg/mlという高いMICを示す株が存在した.経口penem剤のFRPMも前記3薬剤と類似していた.AZTはMIC90が0.39μg/mlと良好な抗菌力を有していた.第2世代セフェムのCTMおよびFMOXはMIC90がそれぞれ6.25,12.5μg/mlと高い値を示しH.influenzaeに対する抗菌力は良くはなかった.経口抗菌薬においても,新経口セフェムが良好であり,MIC90はCDTRが0.05μg/ml; CFPNが0.2μg/ml,CPDXが0.39μg/mlであった.macrotideはCAMのMIC90が25μg/ml,AZMは3.13μg/mlであった.new quinoloneはNLFXを検討しMIC90は0.2μg/mlであった.FOMは0.025〜50μg/mlという広い範囲で推移していた.CPのMICは0.39〜12.5μg/mlの範囲であった.
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