1998 Fiscal Year Annual Research Report
表皮角化細胞のMAP kinase系に対する各種細胞外刺激の影響
Project/Area Number |
10770381
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
中村 哲史 旭川医科大学, 医学部, 助手 (20292112)
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Keywords | ケラチノサイト / MAP kinase / ERK / p38 / SAPK / EGF / UVB / Fas ligand |
Research Abstract |
SV40-transformed keratinocyte(SVHK)を無血清の状態で48時間培養し、細胞周期を止めた後に細胞外刺激に対するMAP kinase family(extracellular regulated kinase;ERK、p38kinase,stress activated protein kinase;SAPK)の変化を検討した。 EGF100ng/mlによる増殖刺激ではERKがリン酸化され活性が上昇した。このリン酸化は約30分で刺激前の3倍となり、1時間で釣2倍程度まで減少するが24時間まで持続した。p38 kinaseとSAPKは全くリン酸化されなかった。 外界からの刺激であるultraviolet B(UVB)400J/m^2ではERKリン酸化は30分で3.5倍、JNKリン酸化は1時間で7倍、p38 kinaSeリン酸化は6時間で3.5倍となった。このUVB刺激では24時間後にDNAのladderを認め、apoptosisを起こしていると考えられた。 炎症状態でリンパ球などから受けると考えられるapoptosis刺激である坑Fas ligand抗体1ng/mlで刺激するとERKは0.5-1時間で1.6倍、p38kinaseは12時間までに3倍までのリン酸化が起こったがJNKはリン酸化されなかった。以上よりSVHKにおける細胞外刺激によるMAP kinase familyの変化が様々であることが示唆された。 今後、阻害剤を用いて刺激特異的な酵素の種類を検討する。さらにkeratinocyteにCa^<++>刺激を加え、分化におけるこれらの酵素の活性化を検討する。
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