1999 Fiscal Year Annual Research Report
表皮角化細胞のMAP kinase系に対する各種細胞外刺激の影響
Project/Area Number |
10770381
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
中村 哲史 旭川医科大学, 医学部, 助手 (20292112)
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Keywords | MAP kinase / Erk / JNK / SAPK / p38 / SVHK / UVB / EGF |
Research Abstract |
SV40-transformed keratinocyte(SVHK)を無血清の状態で48時間培養し、細胞周期を止めた後に細胞外刺激に対するMAP kinase family(extracellular regulated kinase ; ERK, p38, stress activated protein kinase/Jun kinase ; SAPK/JNK)の変化を検討した。 EGF 100ng/ml刺激では18時間で生細胞数は血清飢餓コントロールの約2.5倍まで増加した。この刺激中にERKはリン酸化され活性が上昇した。JNKも活性化された。P38は活性化されなかった。 外界からの刺激であるUltraviolet B(UVB)400J/m^2では、刺激後24時間まで徐々にapoptosisを起こし、生細胞数も24時間で刺激前の7%まで減少した。ERKリン酸化はわずかであったがJNKリン酸化とp38リン酸化が亢進した。 以上の系でERK kinase/MAP kinase kinase 1(MEK 1)阻害剤であるPD98059でpreincubationしてそれぞれの刺激に対する反応を検討したところEGF刺激では細胞の増殖/生存が阻害された。同時にERKとJNKの両方が阻害されEGFによる細胞の増殖/生存にはERKとJNKが関係していることが示された。同様にUVB刺激前にPD98059でpreincubateしたところapoptosisは早い時間で亢進した。同時にJNKの活性が阻害されたが、p38の活性は不変であった。このことはUVBによるapoptosisのときにはp38が主に働いており、JNKは抗apoptoticに働いている可能性が示唆された。UVBによるp38の活性化とapoptosisをさらに検討するためp38αとp38βの阻害剤SB203580でpreincubateしたが阻害効果を認めず、ケラチノサイトではp38γとp38σが主に働いている可能性を示唆した。 さらにapoptosis刺激として抗Fas ligand抗体1ng/mlではSVHKはapoptosisを起こした。このときp38はリン酸化され、ERKとJNKはリン酸化されなかった。このことはFas抗体刺激のapoptosisに対してもp38が関与していることが示唆した。 今後はさらにCa濃度の変更による分化誘導、浸透圧刺激などによるMAP kinasesの活性化を検討する予定である。
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