1998 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚3次元培養モデルを用いたアトピー性皮膚炎の皮膚バリア機能の研究
Project/Area Number |
10770382
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
沼上 克子 (菊地 克子) 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (50250759)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / 皮膚バリア機能 / 3次元皮膚モデル |
Research Abstract |
はじめに、TESTSKIN(ヒト皮膚再構築モデル)を入手して、アトピー性皮膚炎との関連が示唆されているTh2型サイトカインの一つ、IL-4を培地に添加し培養したたモデルと対照モデルの組織を経時的に調べ、また、最終的に、エバポリメータを用いて、経表皮水分喪失量の測定を行い、皮膚バリア機能の評価を試みた。採取した組織は、角層が厚く形成されてはいたが、variable epidermis(生きた表皮細胞の部分)の細胞は壊死に陥りかけており、また、細胞の層数も非常に少なく、IL-4添加培地で培養した皮膚再構築モデルの細胞と対照のそれとを比較することはできなかった。経表皮水分喪失量を測定を試みたが、プローブの先端を皮膚モデルに押し当てたところ、モデルの皮膚が非常に脆弱なために皮膚の損傷が起こり、機械を用いての正確な経表皮水分喪失量の測定は不可能であった。皮膚モデルでは、生体の皮膚と異なり、時間が経過すれば、角層が厚く形成され、一方、生きた表皮細胞が壊死に陥る傾向があることが判明したため、私たちは、air lift後、1週間の皮膚モデルを入手(通常市販されている皮膚モデルはair lift後約2週間のもである)し、実験を行った。Air liftとは、組織の上部が空気にさらされている状態で培養する手法である。以下のサイトカイン、IL-1b,IL-2,IL-4,IL-5,IL-6,IL-8,IL-10,IL-12,TNF-α,IFN-γ,TGF-β1を培地に添加して、組織学的に検討を加えた。残念ながら、この実験系においても、対照の皮膚モデルでさえ、正常の皮膚のような皮膚構築が得られなかったので、現在さらに、実験系について検討を加えている。
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