1998 Fiscal Year Annual Research Report
メラノーマ患者の免疫療法におけるガングリオシドの効能
Project/Area Number |
10770389
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神田 奈緒子 東京大学, 医学部・付属病院, 助手 (50260493)
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Keywords | ガングリオシド / メラノーマ / 未梢血単核球 / IgG / IL-6 / IL-10 / T細胞 |
Research Abstract |
メラノーマ由来のペプチド抗原#810,#707に対する抗体(抗#810抗体および抗#707抗体)の産生能に対する糖脂質ガングリオシドの作用を検討した。各種ガングリオシドのうち,GQ1bはメラノーマ患者末梢血単核球のin vitroにおける1gG型抗#810抗体,抗#707抗体およびpolyclonal 1gGの産生能をいずれも増強した。GQ1bは患者のB細胞には直接作用せず,T細胞のIL-6,IL-10産生を促進することによってB細胞の分化を促し,間接的にその抗体産生を増強した。GQ1bは健常者においてもその末梢血単核球のpolyclonal-1gGの産生を増強したが,この作用も健常者T細胞のIL-6,IL-10産生を促進することにより生じていた。しかし,健常者においては特異抗体である抗#810抗体,抗#707抗体の産生は誘導しなかった。以上の結果から,GQ1bは特異抗体を含めたpolyclonal 1gGの産生を促し,ヒトの液性免疫反応を全般的に増強すると考えられる。GQ1bはT,B細胞,単球の^3H-チミジンの取り込みやアポトーシスには影響せず,またこれらの細胞分画に対する非特異的な毒性作用も示さなかった。他のガングリオシドの抗#810抗体および抗#707抗体産生に対する作用およびその作用機序については今後検討する予定である。
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