1998 Fiscal Year Annual Research Report
CD82の機能的特性を用いたメラノーマ免疫遺伝子治療の基礎研究
Project/Area Number |
10770398
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
椙山 秀昭 山梨医科大学, 医学部, 助手 (70301207)
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Keywords | CD82 / 細胞接着分子 / LFA-1 / T細胞 |
Research Abstract |
当教室の柴垣らは、T細胞が抗原提示細胞により活性化されるその初期において、両細胞上に発現するCD82が重要な役割を持つことを報告した。この際、T細胞上のCD82の発現量は、抗CD3抗体crosslink刺激、あるいはPMA刺激で発現量が増強することが判明した。またT細胞上に発現するCD82はCo-stimulationに関わるのみならず、細胞間接着にも関与していた。一方、これらCD82を介する細胞間接着は、抗CD82抗体で直接阻害されないことより他の分子を介する間接的作用であることが示唆された。 今回我々は、T細胞上に発現するCD82の機能につき、さらに解析を行った。まず、T細胞株にCD82cDNAを導入することでこれをOverexpressさせた場合、細胞にどのような変化が現れるのかを検討してみた。するとCD82を高発現させたJurkat細胞同士は、強いAggregationを形成した。そこで我々は、CD82-overexpressionにより誘導されたcell-cell aggregationを様々な接着分子中和抗体を用いて阻害効果をScreeningした結果、抗ICAM-1中和抗体、あるいは抗LFA-1中和抗体によりこのAggregationが阻害されることが判明した。しかしながら、親細胞とCD82高発現細胞ではICAM1,2,3 /LFA1 (CD11a,CD18)の発現量に差は認めらなかった。次に我々は、soluble ICAM-1をPlateにcoatingさせ、各Jurkat細胞のICAM1に対する接着性を比較した。その結果、CD82高発現細胞は親細胞に比べICAM-1に対する接着性が亢進していた。尚、この接着は細胞をあらかじめ抗LFA-1中和抗体で処理しておくと阻害されることより、この接着には主にLFA1が関与していることが判明した。
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