1998 Fiscal Year Annual Research Report
マウス移植片対宿主病この宿主樹状細胞の移植T細胞活性化における役割の検討
Project/Area Number |
10770409
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
浅越 健治 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (80294461)
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Keywords | 移植片対宿主病 / 樹状細胞 / ランゲルハンス細胞 / T細胞活性化 |
Research Abstract |
1, 結果:(1)BALB/CヌードマウスにC57B6マウスのfリンパ球を静注後、皮膚の組織学的変化を経時的に検討したところ5日目より皮膚にGVH型の組織反応が認められた.免疫組織学的にはこの時期に一致して角化細胞間にClassIIMHC抗原(IA'抗原)の発現がみられ、GVH型の組織反応が起こったことを裏付ける所見と思われた. (2)皮膚の凍結切片および表皮シートを用いて、免疫組織学的に表皮の樹状細胞であるランゲルハンス細胞の数的変化を経時的に検討したところ7日目から急激に減少していた. (3)表皮を単細胞に分離しフローサイトメトリーによりランゲルハンス細胞上のClass IIMHC抗原(IA'抗原)、共刺激分子(CD40,CD80,CD86)の発現を経時的に検討したところいずれも5日目から発現の増強が認められ、ランゲルハンス細胞がこの時期より活性化されていることが示された. 2, 考察:以上をまとめると組織学的にGVHDが生じる時期とランゲルハンス細胞が活性化される時期はほぼ一致しており、表皮からランゲルハンス細胞が減少するのはその約2日後であった.従って、これらの事実は、ランゲルハンス細胞が表皮から遊走して移植T細胞を活性化しているというより、移植T細胞に攻撃されてアポトーシスに陥っているか、GVHDが起こった後サイトカイン等の微小環境の変化の影響で表皮から遊走した可能性を示唆するのではないかと考えられた. 3, 今後の計画:ランゲルハンス細胞の減少がアポトーシスによるものかどうかを検討するため以下の実験を施行中である.(1)凍結切片を用いてランゲルハンス細胞がTUNEL法に陽性かどうか検討.(2)フローサイトメトリーにてランゲルハンス細胞上のAnnexinVの発現の有無を観察.
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