1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト色素産生細胞異常症におけるagouti signal proteinの役割
Project/Area Number |
10770421
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
サンティス 智恵 北里大学, 医学部, 助手 (10255292)
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Keywords | melanogenesis / pheomelanogenesis / ASP |
Research Abstract |
平成12年度はヒト悪性黒色腫とagouti signal protein(ASP)との関連について、1)mRNAレベルと2)酵素活性レベルでの検討を行った。1)進行期悪性黒色腫の腫瘍部とその周囲に生じた白斑部における、melanogenesisに関わる酵素のmRNAの発現をNorthern blottingで比較した。腫瘍部ではtyrosinase、tyrosinase-related protein1(TRP1)、tyrosinase-related protein2(TRP2)が強陽性を示し、白斑部ではtyrosinase陰性、TRP1及びTRP2は弱陽性を呈した。2)tyrosinase hydorxylase、DOPA oxidase、DOPAchorme tautomerase、melanin productionのすべてにおいて、正常皮膚に比べて腫瘍部では高値を示し、白斑部では著しい低値であった。これらの結果はin vitroで マウスmelanocyte培養液中にrecombinant ASPを添加した時の変化と同様であり、自験例の白斑部において酵素抗体法で確認された白斑部のASPがすでにmRNAレベルでeumelanogenesisからpheomelanogenesisへのswitchingを起こしている可能性を強く示唆した。 自験例から精製したASPとヒト悪性黒色腫培養細胞のin vitroの実験については、昨年度に続いて行っていた白斑部組織からのASP精製が成功せず実施できなかった。しかし、現在2-dimensional gelを用いて腫瘍部と白斑部の蛋白を比較し、ASPと関連する因子を検討中である。
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