1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770429
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
赤松 浩彦 関西医科大学, 医学部, 助手 (10247900)
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Keywords | 紫外線 / 皮脂腺 / 培養脂腺細胞 |
Research Abstract |
背景および目的:皮脂腺が内分泌因子の影響を強く受けていることは周知の事実である。一方、皮膚の光老化によって生じる症状の一つに皮脂腺の増大がある。近年、動物を用いた実験モデルにおいて、紫外線照射後に皮脂腺の増大が認められ、紫外線も皮脂腺に対して影響を及ぼしている可能性が示唆されている。しかし紫外線が皮脂腺に対して直接作用を有しているのか、角化細胞や線維芽細胞が紫外線照射により種々のサイトカインを産生し、間接的に作用しているのかその詳細は不明である。最近われわれは、ハムスターより分離した皮脂腺の組織片培養を試み、脂腺細胞を、その機能を損なうことなく培養することに成功した。そこで紫外線が皮脂腺に対して直接影響を及ぼしているかどうかを明らかにする目的で、培養脂腺細胞に対する紫外線の影響を細胞増殖を指標としてin vitroで検討した。材料および方法:5週齢の雄性ゴールデンハムスターの皮脂腺由来培養脂腺細胞に中波長紫外線(1、5、10mJ/cm^2)を単回照射し、照射後3日間の細胞増殖を血球計算板およびalamar blue^<TM>法を用いて測定した。結果:どちらの細胞増殖測定法においても、培養脂腺細胞の細胞増殖は中波長紫外線照射量に依存して増加した。考察および結論:今回のin vitroの実験結果より、中波長紫外線は直接培養脂腺細胞に作用することにより細胞増殖を増加させることが判明した。この事実は、中波長紫外線はin vivoにおいても、皮脂腺に対して直接影響を及ぼしている可能性を示唆するものと考えられる。現在、培養脂腺細胞の脂質合成に対する中波長紫外線の影響を検討中である。
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