1998 Fiscal Year Annual Research Report
超高磁場MR装置を用いたプロトンスペクトロスコピーに関する基礎研究
Project/Area Number |
10770440
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大久保 真樹 新潟大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (10203738)
|
Keywords | 磁気共鳴スペクトロスコピー / プロトンスペクトロスコピー / 超高磁場 / 核磁気共鳴 / MRS |
Research Abstract |
本年度は,プロトンMRスペクトロスコピー測定用のシーケンスの改良およびスペクトルデータの処理,解析システムの構築を行った. 1. 既存の測定用シーケンスは従来の1.5テスラMR装置からの流用部分が多く,超高磁場3テスラ用への変更が不十分である.特に3テスラでは観測信号周波数および帯域が2倍になることから,その影響を考慮したシーケンスを作成する必要がある.そこでMR装置のメーカー側と協力してシーケンスに変更・改良を加えた.その結果,ファントム実験において明らかな信号強度の増加が確認された.また,ヒト脳におけるプロトンスペクトロスコピーの測定においても改善が認められた. 2. スペクトル解析用に付属しているワークステーション上の処理ソフトも従来の1.5テスラ用からの流用部分が多く,またプログラムの変更や追加も制限され充分な解析が行えない.そこで,広く普及しているパーソナルコンピュータ(PC)を用いて別途に処理を行う簡易なシステムを作成した.測定したMR信号データをワークステーション上で作成したプログラム(IDL)によりフォーマット変換しオンラインでPCへ転送する.PC上で市販の数学ソフト(Mathcad,MathSoft社製)を用いて作成したプログラムにより各種の処理・解析を行う.ピーク位置や面積等を求め半定量的な評価が可能である.一連の操作は非常に簡単でプログラムの変更なども容易であり,汎用性の高いシステムが構築された.
|