1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770445
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
後藤 佐知子 岡山大学, 医学部, 助手 (80243517)
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Keywords | X線マンモグラフィ / 乳癌検診 / 医療被曝 / 乳房組織等価ファントム / 線量測定 / 平均乳腺組織線量 |
Research Abstract |
X線マンモグラフィにおける医療被曝の測定及び低減を目的として,平成10年度は以下の調査,基礎実験を行っている. 1. 当附属病院にてX線マンモグラフィを施行した際の,撮影条件,乳房の厚み,患者年齢,授乳歴についてのアンケート調査. 2. 1.と同時に,X線乳房写真における乳腺・脂肪組織の平均濃度測定. 3. 1.2.の結果を中間結果としてまとめ,患者の年齢,厚みに対するX線マンモグラフィの撮影条件,乳腺・脂肪組織の割合推定についてのルックアップテーブルを作成. 4. 撮影領域におけるX線のエネルギー測定. 以上の結果より,X線マンモグラフィの個人被曝を大きく左右するのは,患者年齢のみとする従来の意見に対して,患者の授乳歴の方がより大きく影響するという結果を得た.すなわち,患者年齢のみでの医療被曝推定は不十分であり,患者の授乳歴に影響される乳腺・脂肪組織構成の推定を考慮に入れるべきであるとする検討を基に,さらに以下の実験を行っている. 5. 3.の結果を参考に,乳腺・脂肪組織構成の異なる5種類の乳房組織等価ファントムを作成. 6. 5.のファントムを使用して3.の条件を再現させ,当施設において所有するTLD線量計にてX線マンモグラフィにおける被曝線量を測定. 尚,上記の実験項目は現段階において実施中である.平成11年度ではさらに,画質と被曝線量との兼ね合いを考慮しながら,画像の医学的価値を落とすことなくどこまで線量を低減できるかを検討したい.
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