1998 Fiscal Year Annual Research Report
放射線照射による、アポトーシス、多核巨細胞の発生過程とMg,Znとの関連
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10770452
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
原田 聡 岩手医科大学, 医学部, 助手 (20244931)
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Keywords | Apoptosis / Multinuclear cell / Magnesium / Zinc |
Research Abstract |
【諸言】現在放射線照射後におけるapoptosisとmultinuclear cellの発生過程と、その微量元素動態との関連性を研究する目的で、マウス移植腫瘍S-180,Meth-A-Fibrosarcomaにおいて、それら1)apoptosisとmultinuclear cellと腫瘍内微量元素動態との関連性,2)apotosisとmultinuclear cellのcell cylcle動態を研究している。 【方法】ApoptosisはTUNEL,multinuclear cellはhematoxylinによるcounterstainingで検出し.、cell cycleはHistone H3 mRNA probe染色(S期),MPM-II染色(M期)を用いて観察し、微量元素はPIXE(Particle Induced X-ray Emission)を用いて測定、検出している。また、今回、TUNEL法とHistone H3 mRNA probeとの二重染色法を開発し、ApotpsosisのS期分画を直視下に観察する方法を開発し、実験が進められている。 【現在までの成果】(1)apoptosisとmultinuclear cell間の発生過程における関連性:Apoptosisとmulinuclear cell発生の間には、放射線照射6時間後から負の相関関係が認められ、これより、apoptosisとmultinuclear cellは一つの共通の経路から2つに分岐して発生する事が考えられた。また、apoptosisが腫瘍内Mg濃度依存性に発生し、multinuclear cellが腫瘍内Zn依存性に発生した事から、このapoptosisとmultinuclear cellの分岐には腫瘍内Mg,Zn濃度が関連する事が考えられた。 apoptosisとmultinuclear cellのcell cycle動態:TUNEL法、Histone mRNA probeの二重染色法の開発により、S期にあるapoptosisを直視下に観察した。従来まで、apoptosisはGl arrest後にapoptosisが発生するとされ、apoptosisはS期には無いとされてきたが、S期のapoptosisが全apoptosisの10〜15%に認められ、従来の定説とは異なったapoptosis生成過程が示唆された。これに関しては、さらに実験を重ね、結論を出したいと思っている。 multinuclear cellのcell cycle動態に関しては、MPM-II染色によるM期分画、Histone H3 mRNA probeによるS期分画において、正常細胞と有意差が無い事から、正常細胞と同様、cell cyceを回り続けている事が考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Satoshi Harada: "Two inverse pathways:The apoptosis and Multinuclear cell Switched by Mg/Zn balance" Nuclear instruments and Methods in Physics Research B. (in Press).
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[Publications] Satoshi Harada: "The cell cycle exit of apoptosis from S-pnase and different corelation between Mg and Zn" International Journal of PIXF. (in Press).