1998 Fiscal Year Annual Research Report
抗うつ薬の血中動態および脳電位場動態と臨床経過との関連について
Project/Area Number |
10770498
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
柳生 隆視 関西医科大学, 医学部, 講師 (10239733)
|
Keywords | Depression / Trazodone / EEG reactivity / complexity / microstates / spontaneous EEG / spatial analysis / photic stimulation |
Research Abstract |
現在、患者データと対照とする健常者データーの集積を行っている。研究への参加は全て十分な説明の後、参加の同意を文章により得ている。 (1)患者データは、関西医科大学精神神経科の外来受診者のうち、国際疾病分類(ICD-10)により、気分障害に分類され、診察医師が塩酸トラゾドンによる薬物治療が適当と判断した患者から該当者を選定している(現在、5名実施中である)。精神医学的診察ののち、ハミルトンうつ病評価尺度とSDSうつ病自己評価尺度を用いて客観的に臨床症状を定量評価している。その後、頭皮上19部位より、安静時及び閃光刺激課題条件下の脳電位活動を記録し、デジタル化したのち光磁気ディスクに保存している。塩酸トラゾドン投与量の増減は、主治医の判断に委ねられているが、概ね治療開始3〜4週後を目安に、同様の手順で臨床評価と脳電位活動記録を実施するとともに、塩酸トラゾドン代謝を測定している。 (2)健常者データは、性別・年齢分布が一致するように選定された有償志願者である。患者データと同様の手順で、精神機能を評価し脳電位活動記録を行っている(現在、20名がすでに終了している)。 (3)健常者の脳電位活動記録の一部を解析中である。解析には、脳電位場動態の複雑性を評価する指標であるOmega-complexity+EEG Microstate Modeling and Analysisを用いて脳電場構造特性について興味ある知見をえている。今後、患者データの集積を待ち、これらの知見との比較検討を試みる予定である。
|