1998 Fiscal Year Annual Research Report
GM-CSFレセプターα鎖に結合する分化誘導分子p70に関する研究
Project/Area Number |
10770512
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
色摩 弥生 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (40291562)
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Keywords | GM-CSFレセプター / レセプター結合蛋白 |
Research Abstract |
我々は、GM-CSFレセプター(GMR)α鎖細胞内ドメインに特異的に結合し共沈する分子量70Kdの蛋白(p70)を見いだした(Blood 1996,88;p458,Fig.2)。今回、このp70を同定しその機能を解析するため、以下の実験を行った。 1. p70の精製;(1)抗ヒトGMRα鎖モノクローナル抗体をプロテインAビーズに結合させ、アフィニテイカラムを作成した。(2)ヒトGMRα鎖を強発現しているBa/F3細胞株(マウス由来)の蛋白可溶成分を(1)のカラムに流しこみ、ヒトGMRaα鎖を分離抽出した。(3)GMRα鎖に結合しているp70の分離状況をSDS-PAGEによって検討したが、バックグラウンドに比してp70の収量は少なく、至適条件を再検討した上で処理紹胞数を増やす必要があると考えられた。 2. p70の発現;一方、ヒト血液細胞におけるGMRα鎖とp70の結合を検討するため、ヒト末梢血白血球及び骨髄細胞を用いて、抗ヒトGMRα鎖抗体による免疫沈降を試みた。しかし、一細胞あたりのGMRの発現量が乏しいため共沈蛋白の検出は困難であり、対象となる細胞上のGMR発現量を確認したうえで細胞数を増やしての検討が必要と考えられた。そこでまず、健常者及び骨髄増殖性疾患(MPD)、骨髄異形成症候群(MDS)等の造血器疾患患者の好中球、単球を対象にGMRの発現をフローサイトメトリーで評価したところ、MDSにおいて病期の進行に伴うGMRの発現異常が認められた。現在、病態との関わりについて検討中である。
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