1999 Fiscal Year Annual Research Report
合成p16^<INK4A>癌抑制微少蛋白粒子による癌治療の基礎的研究
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10770518
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
浦島 充佳 東京慈恵会医科大学, 小児科学, 助手 (80203602)
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Keywords | p16^<INK4A> / 白血病 |
Research Abstract |
p16^<INK4A>は癌抑制微蛋白retinoblastoma protein(RB)のリン酸化を抑制することによって細胞増殖を停止させる働きがある。多くの種類の癌細胞においてこのp16^<INK4A>遺伝子に異常が認められた。我々も白血病細胞でp16^<INK4A>遺伝子が欠損しているものを樹立し、p16^<INK4A>遺伝子欠損が白血病化に寄与していることを既に報告している。我々はp16^<INK4A>の機能的に重要な部分を含む微少蛋白粒子を人工的に15種類作製した。これらを我々の樹立したp16^<INK4A>遺伝子欠損白血病細胞の培養液に添加したところ特にaa100-120がflow cytometry上最も強い細胞増殖抑制作用(G1 growth arrest)を有していた。Immunoprecipitation & Western blottingにてretinoblastoma protein のリン酸化が抑制されていることが確認された。平成11年度我々の樹立したp16^<INK4A>遺伝子欠損白血病を放射線照射したSCIDmouseに皮下投与、腹腔内投与、尾静脈投与したところ、それぞれ皮下腫瘤、腹水を伴った骨髄転移、骨髄転移を示し、マウス白血病モデルとして樹立された。同時に尾静脈より合成p16^<INK4A>癌抑制小蛋白粒子を投与したところ、腫瘍の増大速度は有意に抑制された。合成p16^<INK4A>癌抑制小蛋白粒子1回投与では生存率に差は認められなかったが、合成p16^<INK4A>癌抑制小蛋白粒子を3日に1回投与した場合有意に生存率の改善をみた(カプランマイヤー p<0.005)。合成p16^<INK4A>癌抑制小蛋白粒子を皮下投与、腹腔内投与した場合は腫瘍の増大速度に差を認めなかった。尾静脈投与も現在適正な投与量および間隔を検討中である。
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