1999 Fiscal Year Annual Research Report
炎症部位特異的遺伝子導法による糸球体腎炎治療の試み
Project/Area Number |
10770535
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
横尾 隆 東京慈恵会医科大学, 内科学講座第2, 助手 (70301538)
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Keywords | 糸球体腎炎 / 遺伝子治療 / 接着分子 / 炎症 |
Research Abstract |
これまでの多くの研究により特定の遺伝子を糸球体に導入することによる糸球体腎炎治療の可能性は示唆され、糸球体に特異的かつ効果的に遺伝子を導入する方法の開発が進んでいるものの未だに多くの問題を抱えている。その一つは糸球体腎炎の特徴としてその炎症の進行度がそれぞれの糸球体でまちまちであることであり炎症部位特異的に遺伝子を導入する必要がある。今回我々は骨髄細胞をCSF-1等の単核球系に分化誘導しやすい環境下で培養することにより、炎症部位に発現する接着分子ICAM-1のリガンドを持った細胞をつくり、この細胞を担体とし炎症部位に特異的に遺伝子を導入できるか検討した。さらにこのシステムをもちい、マウス実験腎炎によって惹起した炎症糸球体に抗炎症性物質を導入し、治療効果が得られるか検討した。マウスの骨髄細胞を採取しL-929培養上清含有培地にて7日間培養し、ICAM-1のリガンドであるCD11b,CD18陽性を確認後、レポーター遺伝子(GC)を導入した。この細胞をマウスに尾静脈を介して戻し、LPSによって糸球体でのICAM-1の発現を誘導した後、導入遺伝子が糸球体で発現されていることをGC bioassay及びPCRにて確認した。さらに同様に抗炎症性サイトカインであるIL-1 receptpr antagonist(IL-1ra)を導入した後、抗糸球体基底膜抗体腎炎を惹起し、その治療効果を検討した。単体細胞はICAM-1の発現と相関して糸球体に集積し、導入した遺伝子を発現することが確認された。このシステムを用い、腎炎を惹起した糸球体にIL-1raを導入した所、2週間にわたり、尿中蛋白排泄、血清クレアチニン上昇を抑止することが可能であった。さらに組織学的検討でも、明らかな改善効果をみた。以上よりこのシステムは一部の糸球体腎炎の治療に有用であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takashi Yokoo, et al.: "Inflamed site-specific gene delivery using bone marrow-derived CD11b^+CD18^+vehicle cells in mice"Human Gene Therapy. 9. 1731-1738 (1998)
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[Publications] Takashi Yokoo, et al.: "Prophylaxis of antibody-induced acute glomerulonephritis with genetically modified bone marrow-derived vehicle cells"Human Gene Therapy. 10. 2673-2678 (1999)
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[Publications] Takashi Yokoo, et al.: "Anti-GBM glomerulonephritis in mice lacking IL-1β converting enzyme(ICE)"Clinical and Experimental Nephrology. (in press).