1998 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺細胞におけるインターフェロンγの細胞内情報伝達系の調節機序の研究
Project/Area Number |
10770554
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森 弘毅 東北大学, 医学部, 助手 (80301050)
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Keywords | インターフェロンγ / 甲状腺 / IRF-1 |
Research Abstract |
本研究はインターフェロンγ(IFNγ)応答遺伝子の一つ、interferon regulatory factor-1(IRF-1)遺伝子の発現が甲状腺刺激ホルモン(TSH)や抗甲状腺剤により影響を受けるかを、ラット培養甲状腺細胞FRTL5を用いて検討するものである。IRF-1mRNAレベルをノーザンブロット法で解析したが、これはIFNγにより明らかに増加した。細胞をIFNγとTSHとで同時に刺激すると、IRF-1mRNAレベルはIFNγ単独時に比べると、その70-80%に低下した。細胞をIFNγとcAMP誘導体ないしforskolinとで同時に刺激した場合も、TSHの時と同様であった。FRTL5細胞をIFNγと抗甲状腺剤のメチマゾール(MMI)で刺激した場合も、IRF-1 mRNAレベルはIFNγ単独時に比べると、その70-80%に低下した。他の抗甲状腺剤のプロピルチオウラシルや構造類似体のイミダゾールにはそのような効果はなかった。次にTSHとMMIがIFNγの細胞内情報伝達系のより上流に位置する転写因子STAT1αの活性化に影響を及ぼすほかウエスタンブロット法で検討した。IFNγはFRTL5細胞においてSTAT1αを明らかに活性化した。TSHとMMIはIFNγによるSTAT1αの活性化を軽度(10-20%)抑制した。以上のようにTSHとMMIはIFNγによるIRF-1遺伝子の発現に影響を及ぼすが、その効果は軽度であり、これらのIFNγの細胞内情報伝達系に対する作用点は他にあるものと推測された。第71回アメリカ甲状腺学会(平成10年)で成果の一部を発表した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Tani J,Mori K,et al.: "Effects of thyrotropin and/or methimazole on inetrferon-gamma-induced increase in transcription factor interferon regulatory factor-1 messenger RNA levels in FRTL-5 rat thyroid cells." Thyroid. 8(Suupl). 52 (1998)