1998 Fiscal Year Annual Research Report
加齢に伴う骨髄脂肪化が骨芽細胞の分化・機能に及ぼす作用の細胞生物学的解明
Project/Area Number |
10770560
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
岡崎 亮 帝京大学, 医学部, 講師 (10297137)
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Keywords | 骨髄 / 脂肪細胞 / 骨芽細胞 / 加齢 |
Research Abstract |
骨髄における脂肪細胞分化と骨芽細胞、破骨細胞分化の関連を明らかにする目的で本研究は進行中である。平成10年度には、以下の点が明らかとなった。 (1)骨髄細胞培養系にチアゾリン系誘導体を添加した場合、著明に脂肪細胞分化が誘導されるが、骨芽細胞分化早期のマーカーであるアルカリフォスファターゼ活性には有意な変化を認めなかった。 一方、チアゾリン系薬は、ビタミンD、PTHおよびインターロイキン-1による破骨細胞誘導作用を有意に抑制することが見いだされた。このチアゾリン系薬による破骨細胞誘導抑制作用は、脂肪細胞分化を抑制するインターロイキン-11の同時添加によっても抑制されなかった。 (2)レプチンは骨髄細胞および骨芽細胞様細胞MC3T3-E1の増殖およびアルカリフォスファターゼ活性には殆ど影響を及ぼさなかった。また、レプチンは骨髄細胞の脂肪細胞分化に対しても影響を及ぼさなかった。 (3)男性ホルモンであるdehydrotestosteroneおよび男性ホルモン阻害薬であるflutemideは、骨髄細胞のアルカリフォスファターゼ活性には影響を及ぼさなかった。 現在、エストロゲン阻害薬を入手し、平成11年度は主に、性ホルモンと骨髄細胞脂肪化の関係、さらに骨細胞分化の関連を検討する予定である。
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