1998 Fiscal Year Annual Research Report
ナトリウム利尿ペプチド受容体サブタイプの病態生理学的意義
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10770561
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
吉本 貴宣 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80297457)
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Keywords | ナトリウム利尿ペプチド / 受容体 / 高血圧 / β遮断薬 |
Research Abstract |
我々はβ遮断薬であるカルベジロールの降圧機序にナトリウム利尿ペプチド(NP)のクリアランス受容体であるNP-C受容体のheterologusなdown-regulationを介した血中ANP半滅期の延長、血中ANP濃度の増加によるNPの生物活性の増強が関与する事を報告した。しかし、カルベジロールはα遮断作用、抗酸化作用、Ca阻害作用も合せ持つ特殊なβ遮断薬であることから、今回古典的なβ遮断薬であるプロプラノロールを高血圧モデルラット(SHR-SP)に投与した際のNP系の動態と機能について検討した。プロプラノロール投与群(P群)ではVehicle群(V群)に比し血中ANP濃度の増加が認められた。心房、心室でのANP mRNA発現量および中心静脈圧は両群間で差を認めなかった。NPのクリアランスに大きく関与する肺において、NP-C受容体は蛋白、mRNAレベル共にV群に比しP群で有意に低下しており、NPの生物活性受容体の阻害剤HS-142-1投与した際の昇圧効果はP群でV群に比し有意に大であった。以上の結果は前回報告したカルベジロールを投与した際のNP系の動態と同様の傾向であり、β遮断薬に共通する新しい降圧機序として内因性NP系の賦活の関与が明らかとなった。 また、関連してSHR-SPの左心室におけるCNPおよびその特異的受容体であるNP-B受容体のmRNA発現がWKYに比し増強している事を明かとした。CNPの発現量はANP、BNPに比し微量であるが、同部位におけるCNP/NP-B受容体系の存在が示唆された。 また、褐色細胞腫における癌抑制遺伝子p53変異を検討し、悪性例、多発例では同変異が認められるのに対し、良性孤発例では認められ無かったことより、同変異の検討が本症の予後判定に有用である可能性を報告した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 吉本貴宣: "Budrenoceptor antagonist propranuiol potentiates hypotensive action of natriuretic peptides" European Journal of Pharmacology. 351・1. 61-66 (1998)
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[Publications] 吉本貴宣: "The relatively high frequency of p^<53> gene mutations in multiple and malignant phacochromecytomas" Journal of Endocrinology. 159・2. 247-255 (1998)