1999 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン依存型糖尿病発症と膵β細胞におけるアポトーシス
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10770572
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
豊永 哲至 熊本大学, 医学部, 助手 (60295128)
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Keywords | インスリン依存型糖尿病 / トランスジェニックマウス / インターフェロンガンマ / アポトーシス |
Research Abstract |
インスリン依存型糖尿病(タイプ1糖尿病)発症におけるアポトーシスの関与を調べるため、膵臓にインターフェロンガンマを発現し、糖尿病となるトランスジェニックマウスを用いて解析を行った。 1、アポトーシス関連遺伝子発現の解析 昨年の結果より、糖尿病発症時期は本トランスジェニックマウスにおいて、生後5〜11週齢であることより、生後5週齢のトランスジェニックマウスとコントロールマウス(ネガティブリッターメイト)の膵臓組織よりmRNAを抽出しRT-PCR法により転写レベルでのFas、FasLの発現を検索した。この結果、これらのアポトーシス関連遺伝子の発現はコントロールのマウスに比較して発現が増加していた。このことはアポトーシスが本トランスジェニックマウスにおいて、増加しているものと考えられた。 2、アポトーシス抑制による糖尿病発生抑制の検討 本トランスジェニックマウスにいては、昨年の組織化学的方法(TUNEL法)によるアポトーシスの確認、および本年の上記1)によるアポトーシス関連遺伝子の発現増強の確認より、アポトーシスが起こらない変異マウスである1prマウスとの交配を行い糖尿病発症の有無を検討するため血糖値の測定を行った。この結果、交配により1pr変異を導入したトランスジェニックマウスでは血糖値の上昇が抑制される傾向があった。 以上のことより本トランスジェニックマウスのおいてはその糖尿病発症においてアポトーシスの関与が示唆された。
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