1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770596
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
中村 道郎 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00246547)
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Keywords | 臓器保存 / 移植 / 氷温域 / ラット / 肝臓 / 腎臓 / プログラムフリーザー |
Research Abstract |
臓器保存の分野においては、比較的新しい方法である氷温域保存法の効果について、ラット肝臓、腎臓を用いて検討した。ラットを二酸化炭素を用いて屠殺。肝臓については開腹した後、門脈よりカテーテルを挿入し、UW液にて灌流後に摘出した。腎臓については、腎動脈よりカテーテルを挿入し、UW液で灌流後に摘出した。摘出臓器を冷却したUW液で保存し、そのままプログラムフリーザーを用いて凍結した。プログラムフリーザーを用いず、直接冷凍した群をコントロール群とした。摂氏-80度の低温冷蔵庫で2週間保存した後、摂氏37度の水槽でゆっくりと解凍した。解凍後、一部は細胞浮遊液として、10%ウシ胎児血清を含むDMEMを用いて細胞培養した。また、一部はSCIDマウスの皮下に移植し、生着率について検討した。培養細胞の検討では、トリパンブルーを用いた染色法で、コントロール群に比し、実験群で生存細胞の回収率が良好であった。また、SCIDマウスを用いた実験では、移植後2週間で、移植片を摘出、病理学的に検討した。この実験においても、コントロール群に比し、実験群においてマウス固有組織との接合が良好で、生着率が高かった。 本年度の実験により、臓器保存法におけるプログラムフリーザーの有用性が示唆された。
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