1998 Fiscal Year Annual Research Report
レチノイン酸レセプターを分子標的とした消化器癌に対する新しい癌化学療法の開発
Project/Area Number |
10770612
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
青儀 健二郎 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (50284196)
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Keywords | レチノイン酸 / 分化誘導療法 / トポイソメラーゼI阻害剤 / 多剤耐性細胞 / レチノイン酸αレセプター遺伝子 / トポイソメラーゼIIα遺伝子 |
Research Abstract |
1. CPT-11前処理によるDNA topoisomerase II α gene及びretinoic acid α receptorgeneのup regulationとその経時的変化 ヒト白血病細胞株K562(感受性細胞株)及びその多剤耐性細胞株K562/DOXを用いて、CPT-11前処理により、DNA topoisomerase II α gene及びretinoicacid α receptor geneが受ける変化と、両株間に認められる差と経時的変化について検討したところ、K562、K562/DOXいずれにおいてもCPT-11処理後24〜48時間後にDNA topoisomerase II α gene及びretinoic acid α receptor geneのup regulationが確認され、さらにK562/DOXの方がその発現がより強い事が確認された。現在それぞれの蛋白レベルでの発現を検討中である。 2. CPT-11前処理後細胞株におけるretinoi cacidに対する感受性の変化の検討 CPT-11前処理後細胞において、ATRA)に対する感受性の変化を、MTTassayを用いて評価したところ、対照群に比べ約20%上昇していることが明らかとなった。なお同処理後細胞に対してDNA topoisomerase II inhibitor(doxorubicin)処理を行ったところ、DNA topoisomerase II α geneのup regulationによるdoxorubicinに対する感受性増強も認められた。しかしながらATRA処理によって得られた分化程度の評価は、適当な方法がなく充分出来ていない。そこで文献的に分化誘導の指標とされているp21遺伝子発現を用いて評価を行う予定である。また形態学的に分化程度が確認できるとされる細胞株(HT29)を用いて実験系を再構築する必要もあると思われ現在検討中である。
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