1998 Fiscal Year Annual Research Report
自立神経郭清と壁内神経叢切離の大腸運動に及ぼす影響
Project/Area Number |
10770614
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佛坂 正幸 九州大学, 医学部, 助手 (10294935)
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Keywords | 大腸運動 / 自立神経郭清 / ストレイン-ゲージ |
Research Abstract |
自律神経と壁内神経叢切離が結腸直腸運動に及ぼす影響について雑種成犬に慢性埋め込み型ストレインゲージを用いて実験モデルを作成し実験を行った。 1. コントロール群:体重12〜15kgの雑種成犬に対し全身麻酔下に開腹を行い結腸直腸に計6個のストレインゲージを縫着した。 2. 自律神経郭清と壁内神経叢切離群:コントロール群と同様に全身麻酔下に開腹を行いストレインゲージを縫着し、回盲部より約3cm肛門側で腸管切離、再吻合を行った。上腸間膜動脈神経叢由来の自律神経と下腹神経、腰結腸神経の交感神経及び副交感神経系の骨盤神経叢から来る直腸枝を骨盤底筋群まで切離郭清した。 各群とも術後10日間の回復期間後、24時間の絶食状態でPavlov slingに繋留し、意識下に空腹期の結腸直腸消化管運動を3〜4時間測定した。更に食事を与え胃結腸反射を1時間測定した。 以上の実験モデルより、外来神経である自律神経と腸管壁内の壁内神経叢を介した神経支配のいずれも消失した結腸が独自の消化管運動を示すことが判明した。この除神経された結腸直腸の消化管運動は、リンパ節郭清を行った結腸直腸癌手術後しばしば認められる下痢、頻便、便失禁などの症状を説明するものと考えられる。 平成11年度は各実験モデル群の頭数を増やして行くと共にこの除神経された結腸直腸を自律神経がいかに制御しているかを調べる。具体的には交感神経である腰結腸神経を温存したモデルと副交感神経である骨盤神経叢の直腸枝を温存した群のモデルを作成し測定して行く。
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