1998 Fiscal Year Annual Research Report
心房細動における心房筋細胞の電気生理学的特性と手術後の経時変化についての検討
Project/Area Number |
10770652
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
鶴原 由一 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (50244025)
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Keywords | 心内電位 / 術後不整脈 / 心房細動 / 電気的リモデリング / 単相性活動電位 |
Research Abstract |
1. 心内電位連続記録システムの確立 手術中に心房に縫着したペーシング用電極を利用して,持続的に心内電位と体表面心電図とを同時に記録できるシステムを作成した.その目的は,術後上室性不整脈の機序と経時的変化を検討することである. 現在までに,このシステムを用いて開心術後症例8例において術後数日間にわたり持続的に心内電位を記録した.心内電位はホルター心電記録装置を用いてテープに記録しており,今後データ解析と統計学的処理を行う予定である.さらに現在,ワイヤレス心内電位記録解析システムを開発中である. 2. 心内電位記録による心房内興奮の解析 術後心内電位を記録した11の開心術症例のうち,慢性心房細動が手術によって洞調律に復した2症例においては,心房プログラムペーシング法によって有効不応期と洞房電動時間を測定してその経時的変化を記録した.今後検討症例数をさらに増やし,その詳細なデータ解析と統計学的処理を行う予定である.この検討によって,洞調律復帰後の心房筋細胞の電気的リモデリングの過程を解明することができると期待している. 3. 単相性活動電位(MAP)の持続的記録システムの作成 MAPを持続的に計測するための電極については現在開発中である.MAPの連続記録においては,前述の心内電位連続記録システムを利用することができる.MAP持続記録・解析により,心筋細胞の電気的リモデリングの過程や不整脈出現の機序を,イオン電流レベルで解明することができると期待している.
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