1998 Fiscal Year Annual Research Report
ラットを用いた気管端々吻合部におけるフィブリン接着剤,OK432と吸収性メッシュの効果に対する実験的研究
Project/Area Number |
10770662
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
高木 正道 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70236199)
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Keywords | 気管吻合部位 / 創傷治癒 / フィブリン接着剤 |
Research Abstract |
フィブリン接着剤は現在までに様々な臓器に利用され,その創傷治癒促進作用による補強効果が証明されてきた.われわれは気管吻合部における補強効果を証明するために,ラットを用いて気管吻合モデルを作製し同部位にフィブリン接着剤および吸収性メッシュを使用して気管吻合部位の治癒過程における被覆,補強効果を比較検討した. 対象:SPF雄rat:90匹 方法:全麻下に頸部に正中切開を置き気管を露出する.気管の2/3周を切離して次の3種類の方法で吻合処理をする.A群(吸収糸による吻合):モノフィラメント合成吸収糸を用いて連続縫合で吻合した群(30匹).B群(吸収糸吻合+フイブリン接着剤):前記縫合法で吻合した気管吻合部にフィブリン接着剤のトロンビン液(0.5ml)を投与し,次にフィブリノゲン液(0.5ml)の順に投与して被覆した群(30匹).C群(吸収糸吻合+フィブリン接着剤+吸収性メッシュ):前記縫合法で吻合した気管吻合部にフィブリン接着剤のトロンビン液(0.25ml)を投与する.次にフィブリノゲン液(0.5ml)で浸した吸収性メッシュをモノフィラメント合成吸収糸を用いて吻合部の周囲を被覆縫合する.さらに同部位にトロンビン液(0.25ml)を投与して被覆した群(30匹). 評価法;術後7日目,14日目,31日目に気管吻合部位の(1)肉眼的所見,(2)組織学的所見,(3)抗張力,(4)コラーゲン量について比較検討する. これまでの検討では気管吻合部位においてもフィブリン接着剤の治癒促進作用は認められ,その補強効果の存在が示唆されている.
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