1998 Fiscal Year Annual Research Report
アデノウイルスベクターで導入したantisensePKCαの脳腫瘍抑制効果の解析
Project/Area Number |
10770689
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
寺尾 聰 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70276278)
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Keywords | 脳腫瘍 / PKC / アンチセンス / 遺伝子治療 / アデノウイルス |
Research Abstract |
これまでアンチセンスを用いて腫瘍に発現される異常遺伝子を抑制する研究には、主にオリゴヌクレオチドが利用されて来た。我々もこれまでにヒトPKCαの3^1側非翻訳領域に対するantisense S-oligodeoxynucleotide (20-30mer)のヒト神経膠芽腫細胞株U87に対す冷腫瘍成長抑制効果を報告した。しかしオリゴヌクレオチドの効果はCytostaticなもので、腫瘍抑制を維持するためには連続投与が必要であり、費用や操作の煩雑さから、臨床応用するには問題が多い。細胞に安定的にアンチセンス遺伝子を発現させる実験も行われているが、これは解析系に留まるもので実際の生体への治療には応用できない。本研究はこれらの両者の問題点を一掃するため、アデノウイルスベクターにアンチセンス遺伝子を組み込み、メッセンジャーRNAレベルで神経膠腫に増強発現されるProtein kinase Cαを抑制しようというもので、アンチセンス遺伝子の導入法として革新的な発想であり、期待される結果が得られれば他のアンチセンス療法全般に応用できるものであると考えた。本年度はCOS-TPC法を用いてコスミドカセットpAxCAwtのElA-ElB欠損部のSwaI部位にantisense PKCα遺伝子を組込み、EcoT221前処置した親ウイルスDNA-TPCとともに293細胞にトランスフェクトし、ホモロガスリコンビネーション法によりアデノウイルスベクターを純化調製した。DNAシークエンサーによって、目的遺伝子がウイルスベクター内に確実に組込まれている事を確認した。培養U87細胞に感染させて増殖抑制効果を解析したところ、MOI=10以上で抑制効果を認めた。今後定量解析とin vivoでの解析を進める予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yazaki T: "Combined gene therapy for malignant brain tumors using HSV vector system." Gene Therapy(CSH Lab.). 217 (1998)
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[Publications] Yazaki T: "“Neural Development"" Springer-Verlag,Tokyo, 544 (1999)