1998 Fiscal Year Annual Research Report
悪性神経膠腫に対する光化学療法および局所組織内照射との併用療法に関する基礎研究
Project/Area Number |
10770697
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
丸山 隆志 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40301543)
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Keywords | 光化学療法 / ポリフィリン / 5-ALA / 脳腫瘍 / PFII |
Research Abstract |
ラットC6 glioma cell lineを一定条件下にて培養、PFII濃度2μ、5μ、10μ/mlの条件で培養液中に混入したのち、紫外光から赤色光の範囲内(400〜7000m)にて光照射を行う。ビデオモニター下にこれを観察し励起された光の測定を行った。PFIIは現在光化学療法として主に殺腫瘍細胞のために使用されている。一部、発色効果を利用した知見もあるが、今回の実験では手術時に肉眼での観察を行えるほどの強い発色は観察されなかった。このため、PFIIと同様の作用があり最近報告例の増えている5-ALAを用いて同実験を予定している。 ラットC6 glioma cell lineをラット皮下に移植、径5mmの段階にて20mg/kgのポルフィリンを経静脈的に投与し、24時間後に紫外光から赤色光までの範囲で波長を変え光照射を暗室下にて行う。これを記録し励起された光の観察を行った。上記同様、画像のコンピューター処理を行わない限り有意な発色情報は得られず、腫瘍の発色を目的とした臨床応用は難しいと考えられた。このため、現在ヨーロッパを中心に開発の進められている5-ALAを用いて同実験を予定している。また、発色観察の際、血液の付着が発色の観察に障害となることが問題となった。 Wister ratを用いて前頭頭頂部に直径約7mmの骨窓を設ける。ここにC6 glioma cell lineを移植した後、透明アクリル板にて骨形成を行う。以後約3週間の飼育を行い、腫瘍の発育を観察後、脳を摘出しホルマリン固定を行う。顕微鏡的にこれを観察し脳内発育を観察する。実験モデルはこれにてほぼ達成したと考えられる。今後、上記基礎実験をもとに5-ALAを用いた腫瘍の発色実験を行う予定である。
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