1998 Fiscal Year Annual Research Report
悪性神経膠腫におけるヒスタミンおよびその受容体の臨床的意義
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10770702
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
広畑 優 久留米大学, 医学部, 講師 (40218863)
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Keywords | Glioma / Histamine / Histamine H1 receptor |
Research Abstract |
過去1年間に当科で手術を行なった悪性神経膠腫は8例であった。これらの症例に対しては凍結切片を使用してin situ hybridizationによるHistamine H1受容体の有無を検討した。結果としては5例で腫瘍細胞にHl受容体の存在を確認した。これらの症例については同一切片でMIB-1で腫瘍細胞の増殖能を検討し、腫瘍細胞のP53遺伝子をApop Tag染色で検討した。Hl受容体が存在した5例のMIB-1の陽性率は6-20%であった。またAPOP TAG染色では3例でP53 positiveであった。またHl受容体が存在しなかった3例のMIB-1陽性率は19-23%であり、全例P53は陽性であった。以上の結果からは培養細胞と同様に摘出腫瘍でも腫瘍細胞に高率にH1受容体が存在してkruことは確認された。しかしH1受容体の有無と治療成績、予後との関係は今の段階では不明である。現在過去に当科で治療を行い、転帰が判明している10症例に対して同様の実験を行なっている。また患者の脳脊髄液中のHistamine濃度の測定は5例で行えたがいずれも術中に脳室ドレナージを行なって採取した検体であるため血液の混入などがあり値に大きなばらつきを認めるため現在informed consentを得られた症例で術前のspinal topが安全である症例で検体で検体を採取している(現在検体は8例である)。zru程度(10例程度)検体が集まった段階で再度Radioimmunoassay kitを用いて測定を行なう予定である。
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