1998 Fiscal Year Annual Research Report
神経欠損部における末梢神経の再生に末梢神経断端の及ぼす影響
Project/Area Number |
10770721
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
高松 聖仁 大阪市立大学, 医学部, 助手 (30295688)
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Keywords | Peripheral Nerve / Regeneration / Schwann |
Research Abstract |
神経欠損部に動脈が伴行しているモデルを日本白色家兎の深腓骨神経と伴行する前脛骨動脈を用いて作製し、なぜ神経欠損部に動脈が伴行する場合には神経は欠損部を越え再生しうるのかその要因を明らかにするために、特に今回は動脈が温存されたことによって血行が良好な神経末梢断端に着目して血行の有無の及ぼす1)末梢断端の貪食細胞による変性進行および再構築の差異、2)末梢断端内のシュワン細胞の活性化の差異について検討を加えた。このうち今年度では基礎実験として、手術用ルーペ下にマイクロサージャリー用手術器械を用い細心の注意を払い兎の深腓骨神経に20mmの神経欠損部を作製し神経欠損部に動脈の伴行する動脈温存群と、動脈も神経も切除した動脈切除群の2群を作製した。ついで術後2、4日目、1、2週目に神経の末梢断端の標本を採取し、光学顕微鏡下(H.E,染色、LFB 染色)にWaller変性の進行の程度とシュワン細胞の増殖について観察した。その結果、術後2、4日目では動脈温存群と動脈切除群間にはWaller変性の進行の程度・Waller変性の進行の程度のいずれも差異は認められなかったが、術後1・2週目には遠位末梢断端内のシュワン細胞の増殖に明らかな差異が認められた。しかし免疫染色上は両群のシュワン細胞には明らかな差異は見いだせなかった。
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