1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770722
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
大橋 弘嗣 大阪市立大学, 医学部, 助手 (70254406)
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Keywords | 軟骨延長 / 軟骨再生 / 関節軟骨 / 創外固定 |
Research Abstract |
骨組織は創外固定器を用いて徐々に引っ張れば延長されることが分かっている。今回、同様のテクニックを用いて軟骨を延長することを試みた。 ウサギの膝関節の大腿骨遠位部で骨切りを行って延長する計画をたてた。まず、ウサギ大腿骨の形状に合わせて創外固定器を設計し、特注創外固定器を作成した。組織延長の条件として骨切り後の待機期間と延長スピードがあり、これを決定する必要がある。軟骨組織は修復速度が遅いと考えられ、骨組織で行うより緩慢な速度の実験条件を設定した。また、延長終了後、軟骨組織が分化成熟する期間が必要と考え、終了後屠殺までの期間の条件設定が必要であった。 種々の待機期間、延長スピード、延長終了後の飼育期間を設定し、軟骨延長を試みたが、以下のような原因のため未だ確立した延長条件を見いだしていない。1)待機期間を長くしたり、延長スピードを遅くすると骨癒合が先行し、そのために延長ができなくなる。2)手術時に関節を大きく切開し、創閉時に十分に修復して縫合できないため骨切り部の環境が関節内環境にならなくなる。3)創外固定器設置の部位が限られ、正確な手術手技を要するために手術終了時の条件が異なり、同じ延長条件でも骨切り部の軟骨修復が見られるものと見られないものが混在している。 これらの問題点を解決するために、1)改良型の創外固定器の開発、2)骨癒合阻害のためにビスフォスフォネートの投与、3)延長量の正確な評価を考え、さらに研究を進める計画である。
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