1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770738
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
江島 豊 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (90301051)
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Keywords | 大動脈遮断 / 脊髄虚血 |
Research Abstract |
ウサギ(日本白ウサギ)の大腿動脈から肺動脈カテーテルを挿入し、大動脈内で15分間バルーンを膨らませることにより、脊髄虚血モデルを作成した。その後、無治療群と高気圧酸素療法群(虚血30分および6時間後に絶対3気圧で1時間高気圧酸素曝露をする)にランダムに分けた。4、8、12、24、48時間後および7日後に屠殺し脊髄標本を作成し、神経学的検査、組織学的、免疫組織学的検討を行った。 結果 神経学的:48時間後および7日後に行われたタルコフスコアーを用いた検討では、高気圧酸素療法30分施行群では、無治療群および高気圧酸素療法6時間施行群と比較し有意に神経学的改善が認められた。 組織学的:脊髄組織をヘマトキシリンエオジンにて染色後、正常形態を示す脊髄前角細胞(運動ニューロン)数をカウントし統計学的処理を行った。その結果、無治療群および高気圧酸素療法6時間施行群ではコントロール(sham-operation group)と比較して有意に前角細胞が減少した。一方、高気圧酸素療法施行30分群ではコントロールに対して有意に前角細胞は減少したものの、無治療群および高気圧酸素療法6時間施行群に比べ有意に多かった。このことより虚血早期に高圧酸素療法を行えば、虚血による神経損傷を回避できることが示唆された。 免疫組織学的:無治療群では8〜24時間にかけて脊髄前角細胞で、神経型NOSの活性が認められ、細胞障害の一機序として考えられた。
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