1998 Fiscal Year Annual Research Report
部分液体換気法施行時の画像解析-^1H,^<19>F磁気共鳴画像法による分析
Project/Area Number |
10770744
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
内田 篤治郎 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (40262183)
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Keywords | 液体換気 / 磁気共鳴画像 / パーフルオロカーボン |
Research Abstract |
部分液体換気法(Partial liquid ventilation (PLV))は、perfiuorocarbonを気道内に注入した状態で従来からの人工呼吸を行う方法であるが、この方法において、注入されたperfluorocarbon(液相)と吸気ガス(気相)がどのように分布するかについてはいまだ明らかではない。今回、F19-磁気共鳴画像法(MRI)により、PLV中の液相-気相の分布形態について分析を行ったので、結果を報告する。 【方法】 ニホンシロウサギ3羽(体重3.3-3.6kg)を麻酔下に気管切開、人工呼吸(FIO_2=1.0,1回換気量40ml、換気回数25回/分)を開始した。中心静脈カテーテルより0.10〜0.12ml/kgのオレイン酸を静注し、肺障害モデルを作成した。PaO_2<150mmHgとなった時点でperflubron 15ml/kgを気管内チューブから投与し、PLV(FIO2=1.0,1回換気量-40ml、換気回数25回/分)を開始し、開始30分後に気道内圧とガス交換について評価した。次にこのウサギを深麻酔下に屠殺、空気により気道内圧を0,5,10,15,20,25,30cmH_2Oに調節し、F19-磁気共鳴画像法による断層撮影を行った。ウサギの体位は、実験開始から終了時まで仰臥位とした。 【結果】 オレイン酸投与前後の気道内圧、PaO_2/FIO_2を次に示す。 (オレイン酸投与前) (オレイン酸投与後) (PLV開始後) 〓PaO_2/FIO_2 524±27 99±26 355±40 気道内圧(cmH_2O) 10±0.5 21±1.2 20±1.3 (平均値±標準誤差) 磁気共鳴画像では気体の共存により信号強度が弱くなるため、含気のよい部分で信号が弱くなる.気道内圧の上昇に伴い、気相の分布が腹側から背側にかけて順次増加した。 【結語】 15ml/kgのperflubronを用いたPLVはオレイン酸肺障害モデルにおけるガス交換を改善させた。死後の断層撮影では、perflubronは0cmH_2Oではほぼ肺野全体に分布したが、加圧にともなう気相の分布は不均一で、non-dependent領域からdependent領域にむけて順次広がった。
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