1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770747
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
藤林 哲男 福井医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (90199357)
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Keywords | 筋挫滅症候群 / エネルギー代謝 / リン核磁気共鳴装置 / 除神経 / ダントロレン |
Research Abstract |
筋挫滅症候群はその病態の成立に血流の遮断による筋細胞の障害のみならず阻血および機械的な神経の損傷を併発している。平成10年度では血流遮断のない機械的な神経損傷により、骨格筋細胞のエネルギー貯蓄の低下をもたらすことをリン核磁気共鳴装置を用い証明した。平成11年度では、このエネルギー貯蓄の低下した異常筋細胞を常温下(37℃)でカルシウムの異常放出を防ぐダントロレンが保護的に働くかを調べた。 【方法】一側坐骨神経切断後3週間経過したウイスター・ラットに、下腿の皮膚剥離を加え、リン核磁気共鳴装置(大塚電子社製BEM250/80,2.1テスラ,直径2cmサーフェスコイル)を用い、無機リン/クレアチンリン酸(Pi/PCr)と細胞内pH(pHi)を測定し、ダントロレンを投与し、その異常なエネルギー代謝がどのように変化するかを調べた。なお体温はリン核磁気共鳴装置のボーア内に温風を送ることにより37度に維持した。 【結果】除神経骨格筋は正常筋に比べPi/PCrの高値とpHiの高値を認めるがダントロレンは安静時のエネルギー代謝に影響を与えなかった。しかしながら誘発筋攣縮により除神経骨格筋はPi/PCrの増加とpHiの急激の下降を認め両者は35分後に元に回復したが、ダントロレン2mg/kgの投与によりPi/PCrの増加とpHiの下降は軽度に留まり、回復の短縮を認めた。 【考察】除神経骨格筋は細胞内エネルギー貯蓄(PCr/Pi)が低くさらにpHiが高値であること、この異常な代謝をダントロレンが抑制したことから、除神経骨格筋のエネルギー代謝異常の原因として、筋細胞内のCa^<2+>調節機構の異常が考えられた。 【結論】筋挫滅症候群の成立の一因となる神経損傷は骨格筋細胞に対してエネルギー貯蓄の低下をもたらすことが証明され、誘発筋攣縮により更に低下を認めたが、この更なる低下をダントロレンが抑制することが判明した。
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Research Products
(1 results)