1999 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症モデルのアポトーシス制御機構および麻酔薬の及ぼす影響
Project/Area Number |
10770753
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
夜久 英明 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (40263389)
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Keywords | 一酸化窒素 / アポトーシス / 敗血症 |
Research Abstract |
【方法】敗血症モデルのラット(300-350gの雄性Sprague-Dawley rat)はエンドトキシン(大腸菌由来のlipopolysaccharide(LPS)10mg/kg)を腹腔内に投与することにより作成した。その敗血症モデルラットの肺組織に生じるアポトーシスに一酸化窒素(nitricoxide:NO)吸入が及ぼす影響を検討した。LPSまたは生理食塩水を腹腔内投与した6時間後、血清および15mLの生理食塩水を用いて細胞洗浄液(BALF)を採取し、ELISAにより血清およびBALFのTNF-alpha,IL-6の濃度を測定した。また、肺組織の固定標本を作成し、TUNEL(terminal deoxynucleotidyl transferase-mediated fluorescence-labeled dUTP nick end labeling)法により染色し、DNA傷害(アポトーシス)部位を計数した。 【結果】LPSを投与したラットに5ppmおよび20ppmのNO吸入を行うと、BALFのTNF-alphaや血清のTNF-alphaはNO非吸入群に比し有意に増加した。肺組織のTUNEL陽性細胞はLPS投与により増加するが、NO吸入はさらに濃度依存性にTUNEL陽性細胞を増加させることが明らかとなった。 以上の結果から、LPS投与による敗血症モデルラットにおいて、NO吸入は肺組織においてTNF-alpha産生を増幅することにより、肺組織を構成する細胞(おもに肺胞細胞)にアポトーシスを引き起こし、肺胞構造の破壊や再構築を引き起こす可能性がある。
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