1998 Fiscal Year Annual Research Report
術中経食道心室および心房ペーシングを用いた左室拡張能の評価
Project/Area Number |
10770759
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
田中 克哉 徳島大学, 医学部付属病院, 助手 (30263841)
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Keywords | 経食道心室ペーシング / 経食道心房ペーシング / 経食道心エコー / 左室拡張能 |
Research Abstract |
経食道心エコー(TEE)のプローベにペーシング電極を取り付け,術中経食道心室ペーシング(TVP)および心房ペーシング(TAP)が可能な条件を検討した。開心術または血管手術を予定された40歳から81歳の20名を対象とした。麻酔導入はフェンタニールで行い,気管内挿管後,セボフルラン,フエンタニールで麻酔維持した。気管内挿管後ペーシングリード(Medtronic社製5824A)を取り付けたTEEプローベ(アロカ社製UST-5228BS-5)を挿入した。ペーシング電極は双極で直径3.2mm電極間距離22mmであり,TEEプローベ先端から25mmの位置に先端電極がくるようにシリコン糊で固定した。刺激発生装置は日本光電社製Electronic Stimulator SEN-3201/lsolator SS-104J(最大電流32mA)を用いた。ペーシングは刺激間隔600msecパルス幅30または50msecとし,TVPは乳頭筋レベルの左室短軸像を描出し胸壁(V5)に不関電極を張りUnipolarで行った。さらに四腔断面を描出する位置でBipolarにてTAPを行った。執刀開始前にTEEプローベの口角での深さ,ペーシングの成否,閾値電流を測定した。結果を以下に記述する。 1 TVPの結果 (1) パルス幅50msec,陰極が先端の時,成功率が80%と最も高く,閾値(mA)は22.6±5.8(mean±SD)であった。 (2) TEEプローベの口角での深さは,41±2cm(mean±SD)であった。 2 TAPの結果 (1) 全ての条件で成功率は100%であり,閾値は7mA前後であった。 (2) TEEプローベの口角での深さは,32±2cmであった。 以上よりTAPの成功率は100%であるが,TVPの成功率は約80%であることが解った。
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