1998 Fiscal Year Annual Research Report
低マグネシウム血症ラットモデルおよびヒトにおけるマグネシウムによる鎮痛効果の解析
Project/Area Number |
10770766
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
中井川 泰 自治医科大学, 医学部, 講師 (40245056)
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Keywords | 低マグネシウム血症 / 疼痛閾値 / マグネシウムイオン / フロセミド |
Research Abstract |
低マグネシウム血症ラットモデルは,調合を工夫した飼料を与えた飼育による作成の予定だったが,顕微鏡下で中心静脈栄養カテーテルを挿入し,フロセミド静注による作成に途中で変更した.この方法での低マグネシウム血症ラットの作成についての発表はまだなく,この方がより臨床に近く意義があるモデルである.中心静脈栄養カテーテルは,試行錯誤の結果,SP31カテーテルが適していると判明した.高カロリー用輸液製剤はアミノトリパ^<【.encircled?.】R【.encircled?.】>2号で,輸液速度を2ml・h^<-1>と設定し,フロセミドを投与するので水分補給は自由とした.アミノトリパ^<【.encircled?.】R【.encircled?.】>2号46ml,KC12mEqおよびフロセミド2mgを1日量とし,2ml・h^<-1>でIVH管理した.1週間後,血中Mg^<2+>濃度は低下したが0.41〜0.44mMであり,低マグネシウム血症とは判定できなかった.次に,アミノトリパ^<【.encircled?.】R【.encircled?.】>2号45.5ml,KCl2.5mEqおよびフロセミド3mgを1日量とした.1週間後,血中Mg^<2+>濃度は平均0.55mMから0.33mMへと低下したが,血中k^+濃度が平均3.02mMであり,低カリウム血症となった.次に,アミノトリパ^<【.encircled?.】R【.encircled?.】>2号45ml,KCl3mEqおよびフロセミド3mgを1日量とした.1週間後の各ラットの平均は,血中Mg^<2+>濃度が0.50mMから0.30mMへと低下し,血中k^+濃度も3.49mMであり,モデルの作成に成功した.この中心静脈栄養による低マグネシウム血症ラットモデルの作成方法を確立させたことが,新たな知見であり,今年度の研究の大きな成果である.作成方法を途中で大きく変更したことと,ラットの大腿静脈に中心静脈栄養カテーテルを顕微鏡下に挿入する技術を習得することがむずかしかったことから,本年度は低マグネシウム血症ラットモデルの作成方法を確立すること(Iのテーマ)で終ってしまい,このラットを使っての低マグネシウム血症と疼痛閾値との関連を調べる研究(IIのテーマ)は,来年度の継続研究課題として現在進行中である.
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