1999 Fiscal Year Annual Research Report
パッチクランプ法を用いMg2+の抗不整脈作用を単一ラット心筋細胞レベルで解明する
Project/Area Number |
10770768
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
富樫 秀彰 自治医科大学, 医学部, 助手 (80301456)
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Keywords | マグネシウム / 心室性不整脈 |
Research Abstract |
1.マグネシウム前処理のTorsades de pointsなどの心室性不整脈に対する予防効果の検証 【方法と結果】ウサギを対象とし,マグネシウム前投与した群としない群において薬剤性に心室性不整脈の誘発を試みたところ、マグネシウム投与群において有意に心室性不整脈の発生が少なかった。 【得られた知見】マグネシウムの前処理は薬剤誘発性心室性不整脈を有意に抑制したことからマグネシウムの心室性不整脈予防効果の有効性が確認された。 2.Torsades de pointsなどの心室性不整脈に対するマグネシウムのもつ抗不整脈作用のメカニズムの検討 Torsades de pointsなどの心室性不整脈発生には心筋細胞の脱分極から再分極までの遅延が原因とされており、またこの遅延のメカニズムとしてKチャネルの抑制が挙げられている。現在のところKチャネルサブタイプのうち電位依存性Kチャネルがもっとも注目されている。 【方法と結果】アメリカツメガエルの卵細胞に電位依存性Kチャネル(HERG potassium channel)を発現させ,whole cell patch clamp法を用いてカリウムチャネルを通る電流を測定した。過量投与にて心室性不整脈を誘発する薬剤キニジンはこのKチャネルの抑制をもたらした。マグネシウムの前処理はキニジンによるKチャネルの抑制を緩和することはなかった。 【得られた知見】マグネシウムの抗心室性不整脈効果のメカニズムはHERG potassium channelに対する作用ではない可能性が示唆された。
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