1999 Fiscal Year Annual Research Report
痛みの経路であるmedial pathwayへのnociceptinの影響
Project/Area Number |
10770771
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
長田 知也 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50266805)
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Keywords | nociceptin / pain / medial pathway / nociception |
Research Abstract |
電気生理学的手法を用いて痛覚の上行性経路のうちMedial pain pathwayの中継核である巨細胞性網様体核(NRGC)および視床外側中心核(CL)における侵害受容ニューロンへのnociceptinの作用を研究した。同時にcapsaicin皮下注入によって惹起されるC-fosの発現を免疫組織染色法を用いて観察をおこなった。 結果:NRGCおよびCLの機械的侵害刺激反応ニューロン(MHSN)はpost stimullus discharge(PSD)を伴う高閾値作動性であった。nociceptin(100ng)はNRGCでMHSNを抑制し、PSDも同様に抑制した。しかしnociceptin(30ng)はCLにおいてMHSNの誘発発火頻度を増加させ、PSDの持続時間を延長させた。この促進効果はmusimol(50ng)で抑制された。 さらにcapsaicin皮下注入によりNRGCの中および小型細胞でC-Fos蛋白が誘導された。 以上の結果から(1)NRGCおよびCLでのMHSNへのnociceptinの作用が異なること、(2)NRGCにおいてC繊維により伝達されるMHSNが存在しその反応がnociceptinで抑制されることが明かとなった。 今後はさらにMedial pain pathwayの上位中枢におけるnociceptinの作用について解明する予定である。 長田知也、鈴木英弘、上田麻子、川上順子:orphaninFQのラット巨細胞性網様体核および視床中心外側核における侵害刺激反応ニューロンの興奮性に対する作用の相違 第46回日本麻酔学会抄録集:p173,1999 長田知也、鈴木英弘、川上順子:orphaninFQおよびGABAagonistの視床中心外側核侵害受容細胞への影響 第22回日本神経科学抄録集:p132,1999
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