1998 Fiscal Year Annual Research Report
子宮頸部病変におけるテロメラーゼ酸素活性レベルの定量的検討
Project/Area Number |
10770822
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
清水 久美子 千葉大学, 医学部・付属病院, 助手 (70272317)
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Keywords | 子宮頸部 / テロメラーゼ |
Research Abstract |
多段階的発癌の知られる子宮頚癌における、テロメラーゼ活性の発現について検討を試みた。 細胞診正常群、異形成群、上皮内癌群、浸潤癌群のブラシ採取細胞を用いて、Telomeric Repeat Amplification Protocol (TRAP)アッセイ法によりテロメラーゼ活性を測定し、Ladder形成の認められたものを陽性として、Ttotal Intensityを読みとり、Standardとの比を比較値として数値化した。正常組織においてもテロメラーゼ活性が低値陽性を呈するものがあった。異形成で約50%のテロメラーゼ活性陽性率を示すが、その値は低値であり、正常組織の混在による低値であるのか、絶対値による差であるのかは明らかでなかった。しかしながら、テロメラーゼ活性の陽性化が子宮頚癌の多段階発癌機構の中で、比較的早期から関与する可能性が示唆された。 in situ RT-PCRを細胞レベルでの解析に応用したが、in situ自体がback groundのでやすい手技であるため、正常組織において陽性となる確率が高かった。 しかしながら現在、テロメラーゼ研究の進歩により、テロメラーゼ構成成分であるhTR(ヒトテロメラーゼRNA成分)、TP1/TLP1,hTRT/hEST2(ヒトテロメラーゼ酵素触媒タンパク質成分)が同定され、その機構が解明途中である。頸癌由来細胞株のCaSki,HeLa,SiHaではRT-PCRをおこなうとhTR,hTRTともに陽性となる。正常細胞ではhTRTが陰性である。従ってhTRT mRNAの発現とテロメラーゼ活性との間の関連性が示唆される。in situ RT-PCRで用いたプライマーがhTR由来であることが結果を確定できない要因の一つと考えられ、hTRTを用いたin situ RT-PCRの系の開発が必要と考えられた。
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