1999 Fiscal Year Annual Research Report
変異導入を用いたHPV16EIとその細胞内結合蛋白の機能解析
Project/Area Number |
10770823
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八杉 利治 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (20251267)
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Keywords | ヒトパピローマウィルス / DNA複製 / E1蛋白 / 変異導入 / EIF3A / TACC3 |
Research Abstract |
ヒトパピローマウイルス16型E1蛋白(HPV16EI)の細胞内結合蛋白の候補で解析の進んでいない2つの細胞内蛋白のDNA塩基配列を決定した。いずれの蛋白質も最近その機能の一部が同定されており、1つはtranslation initiation factor3(EIF3A)として、1つはtransforming acidic coiled-coil containing protein 3(TACC3)として報告されている蛋白質と同一のアミノ酸配列を持つと考えられた。これらの蛋白質が、DNA複製にどのように関わっているかは明らかではなく、これらの蛋白質と結合することはHPV16E1の新たな機能を示唆するかもしれない。HPV16E1の変異蛋白であるS330Rは野生型E1のHPVDNAの複製能に対し、dominant negativeに作用し、hUBC9にのみ結合能を失っているが、これら2つの蛋白質との結合能は有していた。G482D、D438G、L494Qなどの変異体について、これらの蛋白質との結合能は現在明らかにしつつある。ElF3A、TACC3と結合しないHPV16E1の新しい変異体はいくつか候補が得られて、これらのmutant については他の標的蛋白質との結合能、DNA複製能などについて検討中である。また現在これらの変異体及び野生型のHPV16E1のE6、E7蛋白のtransform能に与える影響を検討中である。
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