1998 Fiscal Year Annual Research Report
母体血中胎児由来細胞の染色体分析法(G-band等)の開発
Project/Area Number |
10770843
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
沖 利通 鹿児島大学, 医学部附属病院, 助手 (60253879)
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Keywords | 母体血 / 胎児細胞 / 血液幹細胞 / 出生前診断 / コロニーアッセイ |
Research Abstract |
[方法]正常成人,妊婦末梢血,分娩直後の母体末梢血を用いて,CD34,CD36,CD71陽性有核細胞の割合をフローサイトメトリー法で測定した.その後,幹細胞コロニーアッセイ培地を用いて,コロニーアッセイを行い幹細胞のコロニーを得た.その後注意深く各コロニーを拾い上げ,PCR法でコロニーの一部から各コロニー毎のY染色体特異的なDYZlの有無を判定した.またPCR法でDYZl陽性のコロニーに関してはFISH法を用いて確認を行った. [成績]妊婦末梢血中の幹細胞コロニーにはDYZlは検出できなかった.男児分娩直後の母体血では1コロニーのみPCR法でXY細胞が疑われたがPCR法での再検査およびFISH法では検出されずコンタミネーションと判断した. [結果]現在までの検討(BFU-E,CFU-GM,CFU-Mix,CFU-Eo,総コロニー数211)では胎児由来と考えられる幹細胞のコロニーは検出されなかった.この結果が幹細胞の出現頻度が低いためか,培養不可能な幹細胞の割合が高いのかはさらに検討が必要だが,少なくとも血液幹細胞を出生前診断の試料とするためにはより多数のコロニーをスクリーニングする必要があると推測された.大量のコロニーのスクリーニング方法を現在検討中である。
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