1998 Fiscal Year Annual Research Report
ラット卵巣におけるGnRHの遺伝子発現に関する研究
Project/Area Number |
10770846
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
遠藤 方哉 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 助手 (20254211)
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Keywords | GnRH / RT-PCR / Northern blotting / エクソン / イントロン |
Research Abstract |
本研究においては、Reverse Transcription-Polymerase Chain Reaction(RT-PCR)、Northern blottingを用いて、ラット卵巣におけるGnRH遺伝子発現の多様性について検討した。 RT-PCR法により、GnRH mRNAの検出を試みた。卵巣よりtotal cRNAを抽出しDNaseにて処理後、ランダムプライマーを用いてcDNAを合成した。GnRH DNAの様々な部位を規定するプライマーを用いてPCRを行った。その結果、既知の視床下部型のエクソン1から4までを含むものが増幅されたが、同時に,エクソン1と2の間のイントロンAを含む物の存在が確認された。またイントロンのみを規定するプライマーによっても増幅をみた。従って、卵巣では、イントロンAがスプライシングされないもの、もしくはイントロンAを含んだRNAの存在、および視床下部タイプのGnRH mRNAの存在が示唆された。 次に、GnRHのイントロンAもしくはエクソン部分をプローブとしてnorthern blottingを行い、より定性定量的な検討を行った。その結果エクソンをプローブ(視床下部タイプのプローブ)とした時には、GnRH産生糾胞株であるGT細胞においては、約600bのバンドを認め、視床下部タイプのGnRH mRNAが大量に発現していることが確認された。しかし、卵巣においては視床下部タイブのプローブではバンドは検出されなかった。一方、イントロンAのプローブ(イントロンプローブ)では、GT細胞においてはバンドは検出されなかったが、卵巣においては、4.6kbおよび6.0kbのバンドが認められた。従って、GnRH遺伝子から転写され、卵巣において発現しているRNAは、視床下部タイプのGnRH mRNAのエクソンの塩基配列のほとんどを含まず、イントロンAの塩基配列を含んでいるものであることが明らかとなった。このGnRH遺伝子のイントロンAから派生したRNAはエクソン部分の塩基配列を含まないことから、GnRH heteronuclear RNAとは考えられなかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 遠藤方哉: "Gonadotropin-releasing hormane(GnRH)遺伝子のイントロン部分より派生したRNAのラット卵巣における発現" 横浜医学. 49. 209-213 (1998)
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[Publications] 植村次雄.遠藤方哉: "GnRHの卵巣への直接作用" HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY. 1. 53-60 (1994)