1998 Fiscal Year Annual Research Report
機能的および構造的黄体退縮過程における酸素ストレスのアポトーシスに与える影響
Project/Area Number |
10770855
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
峰岸 一宏 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30276331)
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Keywords | 黄体退縮 / プロスタグランジンF_2α / フリーラジカル |
Research Abstract |
プロスタグランディンF2α(PGF2α)は強力な黄休退縮作用を有し、一方フリーラジカル(FR)は退縮期において増加してプロゲステロン産生を抑制するとされており、PGF2αとFR産生との間に何らかの関連性が示唆される。本年度の研究において、偽妊娠ラット黄体退縮期におけるPGF2αを介してのFR産生をin vivoで証明することを目的として実験を行った。 実験(1): 多機能デジタル生体顕微鏡を用いたFR産生の証明 過酸化物感受性蛍光物質6-carboxy-2^1,7^1-dichlorodihydrofluorescein diacetate(CDCFH)bis acetoxymethyl esterを卵巣内に取り込ませ、細胞内で代謝されたCDCFの蛍光輝度を経時的に測定し、CDCF濃度を算出した。以上をPGF2α投与群・コントロール(生食投与)群・FR消去剤(SOD+カタラーゼ)投与群で比較検討した。PGF2α投与群では、投与開始後10分でCDCF濃度が上昇し始め、20分でピークを示しCDCF濃度が約20%増加した。コントロール群では特に輝度の変化を認めず、SOD+カタラーゼ投与群においても変化を認めなかった。 (2): 卵巣組織中での過酸化脂質の定量化 卵巣実質におけるFRの代謝産物である過酸化脂質(LPO)濃度をOhkawa法を用いて測定した。PGF2α投与群でLPOは、コントロール群に比して有意に増加した(p<0.05)。SOD+カタラーゼ投与群では、この増加が有意に抑制された(p<0.05)。 以上より、PGF2α投与により卵巣実質からのFR産生が証明された。
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