1998 Fiscal Year Annual Research Report
エストロゲン依存腫瘍における複合ホルモン療法の基礎的検討
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10770860
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
下平 和久 昭和大学, 医学部, 助手 (10276553)
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Keywords | 乳癌 / Aromatase / GnRH / 細胞増殖能 |
Research Abstract |
本研究の目的は、in vitro及びin vivoの両面からGnRHアナログ・Aromatase(Aro)阻害剤併用療法についての検討を行い、腫瘍内分泌学的面より、エストロゲン依存腫瘍への複合ホルモン療法としての適切なGnRHアナログ・Aro阻害剤併用療法の方法を探ることである。 GnRHアナログの乳癌細胞への直接作用、Aro阻害剤GnRHアナログ併用療法の乳癌細胞Aro活性に及ぼす影響、抗腫瘍効果、及びその内分泌学的影響について検討するべく各種実験を行い、以下の結果を得た。 1, Aro活性及びGnRHレセプターを有するヒト乳癌細胞株(SK-BR-3)を用い、Aro阻害剤(Fadrozole)及びGnRHアナログの単独及び同時添加によるAro活性の抑制効果を確認した。Aro活性は[1β-^3H]androstenedioneを基質とする^3H-water法にて測定した。 結果: Aro阻害剤、GnRHアナログはいずれもAro活性を阻害したが、同時添加により相乗的な抑制効果を示した。 2. 2剤同時添加の細胞増殖能に対する効果を検討した。細胞増殖能は5-bromo-2'-deoxyuridine(BrdU)法にて測定した。 結果: Aro阻害剤、GnRHアナログはいずれも細胞増殖能に対する抑制効果を示したが、同時添加により相乗的な抑制効果を示した。 3, androstenedione、estradiol等のステロイドを添加し、細胞増殖能に対する影響を検討した。 結果:androstenedione、estradiolいずれも細胞増殖を促進した。細胞内のAroによりandrogenより転換されたestrogenの腫瘍細胞成長促進作用を検討するため、androstenedioneとともにAro阻害剤等の添加実験を施行中である。 4, 腫瘍細胞移稙ヌードマウス系を作成し、Aro阻害剤とGnRHアナログを投与し、腫瘍体積の変化を計測した現在実験を継続中である。
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