1998 Fiscal Year Annual Research Report
メラトニンの子宮体癌培養細胞に対する増殖抑制効果の検討
Project/Area Number |
10770862
|
Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
小林 陽一 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (90205493)
|
Keywords | メラトニン / 子宮体癌 / エストロゲン / メラトニンレセプター |
Research Abstract |
すでに我々はエストロゲン受容体(以下ER)を有する子宮体癌培養細胞Ishikawa株のおよびER(-)のSNG.II(S)株においてメラトニン(以下M)の抗腫瘍効果を観察しているが、Iではステロイドホルモンを除去した培地中でM添加により細胞増殖抑制効果が認められたのに対し、Sでは増殖抑制効果は認められなかった。そこで本研究は子宮体癌におけるMの抗腫瘍効果の機序をさらに明らかにすることを目的として行われ、以下の知見を得た。 1) Mの抗腫瘍効果とERとの間の関連性を確認すべく、17-β estradiol(E)とMを同時に添加することによるMの抗腫瘍効果を検討したところ、E添加により、MによるIの細胞増殖抑制効果は全く認められなかった。このことよりE添加によりMの細胞増殖抑制効果は″rescue"されることが示された。 2) IにおけるMの抗腫瘍効果がM受容体(以下MR)を介したものであるかどうかは未だ不明である。そこでIにおけるMRの関与を検討するため、MRのantagonistであるluzindolをMとともに添加したところMの細胞増殖抑制は認められなかった。このことからIにおけるMの細胞増殖抑制効果はMRを介したMの直接作用であることが確認された。またIとSを各々homogenizeし、超遠心にて細胞膜分画を抽出して^<125>Iでラベルしたiodomelatoninによるbinding assayを行い、MRの発現の有無を検討したところ、preliminaryな実験ではあるがIにはMRが存在し、SにはMRは存在しないという知見を得た。今後両細胞におけるMRassayを積極的に行っていく予定である。
|