1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770874
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
藤崎 俊之 新潟大学, 医学部, 助手 (50262457)
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Keywords | CNV / 第二刺激 / 聴覚認知 / 機能性難聴 |
Research Abstract |
第一刺激には光刺激を用い、健常被検者においてCNVが誘発できることを確認した。ただし有意な振幅のCNVが得難い場合があった。その原因として、被検者が眠気を催し集中力が落ちることや、頭皮上の電極抵抗の問題が考えられる。前者に対しては第一刺激の刺激モダリティーを音刺激に変えることを検討中であるが、実験装置のプログラム上の問題があり、現在対策中である。後者に対しては、皿電極をコロジオン電極に変える対策を施行中である。 検査刺激とする第二刺激には、音刺激を用いている。健常被検者において音を認知し応答ボタンを押すことでCNVがすみやかに消失することを確認した。さらに、本研究の仮説通り、第二刺激が認知されれば、偽って応答ボタンを押さなくともCNVが消失する傾向は得られている。すなわち、認知しながら応答を偽る詐聴の診断に応用できる可能性が示唆されている。さらに、詐聴と同じ機能性難聴である心因性難聴に認知障害があることを明らかにできれば、詐聴と心因性難聴の鑑別が可能になる可能性もある。ただし、前述のごとく検査の前提条件となる第一刺激によるCNVの誘発が不十分な場合があり、対策中である。また、CNV記録には加算が必要であるため、同一音による刺激を10〜40回続けて行うが、応答しないよう被検者に指示した検査音が続くとCNVの誘発自体が次第に不良になる場合がある点も問題である。これに対しては、2音の弁別課題を与えそれぞれの検査音に対応する反応を別々に2チャンネルで記録することで解決できると思われるが、装置およびプログラムの制約のために困難である。装置およびプログラムの改造などで対応できないか検討中である。これらの問題点が解決されれば、仮説通りの結果を得ることができるはずである。
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