1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770899
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
近藤 広子 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (30295604)
|
Keywords | 嗅覚検査 / 嗅覚障害 / UPSIT / T & Tオルファクトメトリー |
Research Abstract |
米国で開発された嗅覚識別検査冊子UPSIT(The Univcrsity of Pennsylvania Smell Identification Test)は,40嗅素を用いた非侵襲性で簡便な検査冊子であるが,このUPSITが日本人の嗅覚検査として応用できるかどうかを検討した。 20才から59才までの男女167名にUPSITおよび当教室の作成した嗅覚アンケート(30点満点)を施行した。このうち80名(嗅覚正常者44と鼻副鼻腔疾患を有する嗅覚障害者36名)には日本で開発・使用されているT&Tオルファクトリー(T&T法)も施行した。 UPSIT点数とT&T法の検知閾値、認知閾値との間には相関が認められた(r=-0.53;-0.70,p<0.001)。また嗅覚正常者全体のUPSITの各嗅素の正答率を求めたところ,正答率が70%以下の嗅素が10あった。そこでUPSIT40嗅素のうち,嗅覚正常者の正答率の低い10嗅素は除外した場合のT&T法との相関についても検討したところ,40嗅素の場合とほとんど同じ相関が得られた(r=-0.50;-0.67,p<0.001)。40嗅素の時のUPSIT点数と30嗅素にした場含のUPSIT点数の間には非常に強い相関が認められた。 以上よりUPSITは日本で従来使用されているT&T法とよく相関し,そのままでも日本人の嗅覚検査として有用であるが,正常者で正答率の低い嗅素を除外した30嗅素で用いるという応用法もあると考えられた。 またアンケート点数と各嗅覚検査との間にも相関が認められ、(UPSIT30 r=0.56;UPSIT40 r=0.58;T&T検知閾値r=0.56;T&T認知閾値r=0.69,p<0.001)対症症例は比較的正確に自己の嗅覚を認識していることも分かった。
|
Research Products
(1 results)